なぜ、『ホットロード』(80年代の少女コミック)漫画を映画化したのか?

単なる暴走族漫画ではないことは『ホットロード』のあらすじとテーマを見れば一目瞭然。

コミックの画像を入れて、シナリオ風にまとめてみました。


▼どこにも行き場の無い、少年と少女の出逢い。

・主人公は14歳の少女、宮市和希

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父親を幼いころに亡くし、母と二人暮らしをしている。

きょうは ママの 誕生日

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母は学生のころに恋人だったという人と不倫をしていて、情緒不安定気味。

そんな母親に振り回される自分と、母親を疎ましく思っていた。



・不器用な16歳少年、春山洋志

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離婚した母親の元、再婚相手とその息子(弟)の中で

居場所を見つけられず自暴自棄な生活を送る。

バイクが唯一の趣味で、地元の暴走族”NIGHTS”で切り込み隊長をしている。

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▽世の中のことを何にも信じられない二人は世界の端っこにいた。

・和希は友達に連れられて夜の街に繰り出す。

「おまえんち 家テー環境 わりいだろ?」

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軽々しく話しかけてくる春山にビンタをお見舞いする和希。

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・春山のひとことでつきあいだす二人。

嫌がっていた和希も一緒に時間を過ごすにつれ惹かれていく。



▽お互いとても似ていて、腹がたつけどほっておけない。

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・襲われて隠れる和希を助けだす春山。

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連絡を受けた春山は思わずバイクで助けにいく。

・怯える和希をかばう春山。

背中で震える和希を乗せバイクで立ち去る。

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▽互いに自分の中にある問題の”核心”に近付いていく。

・なかなか埋まらない母親との溝。

家出をした和希は春山からのすすめで学校へ行く。

担任教師は、母親とのことも見抜き”逃げるなよ”と和希に迫る。

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・春山も”親”に対してコンプレックスを抱いていた。

ずっと心に秘めていたものを語りだす春山。

▽傷ついた心を春山に助けられる和希。

・母親に対して想いをぶつける和希。

返事をしない母親に春山が言った名セリフ。

「おばさん」「こいつのこと きらいなの?」

「……… もしそーなら」

「オレがー」「もらってっちゃうよ」


▽そして、春山も族を抜ける決意をする。

・大切なものが分かった春山は、和希が拾ってきた猫にこっそり愛を伝えるように告げる。

「これ おわったら もぉ」

「心配かけねー からって」

「愛してるって ゆっといてぇ」


・しかし春山はトラックに跳ねられて意識不明に。

その知らせを聞いて、泣きじゃくる和希。

春山がかけがえのない大切な存在だということに改めて気づく。

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▽ふたりはいっしょにいなくちゃいけない。
・命をとりとめた春山。
後遺症が残った春山と一緒に生きていくことを決めた和希。

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▽若いふたりが一番恐怖に感じていたもの。

それは、学校でもなく親でもなく”止められない自分自身”だろう。

と作中にでてくる。

なぜこんな環境に生まれたのか、

なぜこんなに暴走してしまうのか。

誰も答えを提示してくれる人がいなかった。

21世紀になった今も、自殺者が止まない日本において
暴走の形が変わっただけで、

それはいつも若者の心の中に渦巻いている。

”生まれてきた意味”を理解できないままに尊い命が失われていく。

そんな中でこの作品が伝えたいことは、

暴走の原因は”生まれてきた意味を理解できない自分自身”であって

それを解決してくれるのは、

”この世は自分自身で作りかえることのできるものだと理解すること”。

そして、

”和希と春山は互いに似ている相手を救うことで自分自身も救われている”。

ということだ。

・和希は春山を、

春山は和希を互いに助けあうことで、

自分自身も救われている。



▽ふたりの道はずっと続いている。

・ホットロードの意味がわかるとき

それはふたりの後ろ姿をみつけたとき。


●30年の時を経ても語り継がれ、実写化された『ホットロード』は、青春純愛物語の”奇跡”といっても過言ではない。

紡木たく原作 × 三木孝浩監督、そして能年玲奈主演だからこそ、実写化においても実現可能となった世界観。

映画版『ホットロード』しか知らないあなたに、是非とも感じて欲しい”原作の世界観”

知りたいなら今、ココからアクセスして観て頂きたい。⇒原作:紡木たく 出版:集英社 『ホットロード』完全版

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